電力小売自由化のメリットは
電力の小売り自由化とはなんでしょうか。
現在、どの家庭でも東京なら東京電力、大阪なら関西電力といったふうに、地域ごとで決められた全国の大手電力会社から電気を買っています。
これが自由化されると好きな電力会社を選べるようになります。
それに伴うメリットはなんでしょうか。
自由化はいつから始まる
電力の小売りを全面的に自由化する改正電気事業法が2014年6月、国会で可決成立しました。
これまで一般家庭では、地域の電力会社からしか電気を買うことができませんでしたが、2016年からは自由に電力会社を選べるようになります。
しかし、多くの国民はあまり詳しい内容はご存知ないようです。
資料は環境ビジネスオンラインニュースより転載
なぜ自由化するの?
電力会社同士の競争が生まれ、電気代が安くなると期待されています。
電力は地域ごとに設立された電力会社が独占的に供給することになっていました。
電気料金は、電力会社がコストを積み上げる総括原価方式によって算定されます。
電力会社間には競争がありませんから、利用者には選択の余地がなかったわけです。
選択の自由
画像は始めよう!グリーンエネルギー社会より転載
法改正によって2016年以降、利用者は好みの電力会社から自分にあった会社を選択できるようになります。
経過措置として電気料金の規制は当面継続されますが次の法改正が行われ完全に自由化されれば、各社自由な料金設定ができるようになります。
デメリットはあるか
しかし、メリットばかりではありません。
電気料金が自由化されるということは値上がりすることもあり得るということです。
また、自分が選択した電力会社の経営状態が悪くなれば、ほかの電力会社への乗り換えの必要性もあるのです。
供給の安定は図られるか
従来の技術力も発電設備の保守能力もある電力会社の独占的な供給に慣れてきた市場に、自由化に伴って様々な企業が参入します。
そして、能力不足の設備で発電したり設備投資が不十分などの理由で電力供給が不安定化する企業が現れる可能性があります。
電気はためられない
原油を備蓄するように、電気はためることができません。
発電後ためることができれば、いざという時に使うことも可能ですが、電気は発電事業者にとって実用的なレベルではためておくことができません。
常に需要に合わせて発電されて、同時に消費される、というのが電気の特徴です。
この流れがうまくいかないトラブルが発生した場合、電力供給が安定しない場合があるのです。
一般論では
自由化されれば電気を発電する事業者間の競争によって、電気料金は安くなると見込まれています。
しかし例えば原油価格が高騰している局面では、火力発電の燃料代は高騰し、発電コスト上昇により発電事業者はコストアップ分を料金に転嫁し、料金が大きく上がる可能性があるのです。
現在は、家庭向けの料金の水準については国が規制しています。
市民生活に大きな影響を与える電気料金の引き上げは、国がその妥当性を時間をかけて審議し、規制されています。
電力自由化でそれがなくなってしまうと、一気に上がってしまう可能性もあるのです。
自己責任、の向こう側
自由化されればそのメリットとデメリットがあるものです。
机上の議論としては大いに有意義な自由化でも、実際に選択し、生活にかかわりがあるのは我々です。
吟味し、納得の選択ができるように、情報収集を続けましょう。