五月五日 端午の節句の柏餅は、関東限定?由来は?
関東出身の方ですら、横浜中華街のそばに住むまで『端午の節句』にちまきを食べる文化を知らないということがあります。
どちらかというと、柏餅を食べる日だと思っている方が多いようです。
この違いがなぜ起きたのか、またなぜちまきや柏餅を食べるのか。気になったので調べてみました。
ちまき文化は公家文化?
画像は端午の節句に、ちまき麩ゆずみそ餡入りよもぎより転載
端午の節句や粽(ちまき)は字を見てわかるとおり、中国からはいってきた文化です。もともとは中国の政治家を弔う行事であったものが、この季節に起こりがちな体調不良に対応するための病気除けの儀式となり、平安貴族の社会に定着していきました。
菖蒲の花を飾るなど、優美な部分はやはり公家社会らしい雅さなのでしょう。
関西は関東に比べ公家文化が色濃く残っているため、いまだにちまきを食べる習慣が続いているのでしょう。
柏餅は武家文化?
画像はwikipediaより転載
柏餅の柏は、昔から神聖な木おされてきました。
柏手を打つ、という言葉はこの木から作られたのだそうです。
柏の木は新芽が出ない限り古い葉が落ちず、このことが「子孫ができなければ古いものは死なない」いうことを連想させ、跡継ぎを育てることが重要である武家社会に定着していきました。
また、『菖蒲』の花も武家社会では『勝負』『尚武(武を尊む)』という言葉とつながり、このあたりから病気除けの行事から、男の子の成長を祈る行事となったようです。
関東は武家文化の濃い土地であるため、柏餅のほうが強く残ったのかもしれません。
柏餅の味は、見分けられる?
画像は端午の節句に欠かせない一口サイズの柏もちより転載
柏餅には、中身が味噌餡の塩気が強いものと、小豆餡の甘味のものがあります。じつは、この二つは中を開けなくても見分けることができるのですが、どうやって見分けるかご存知ですか?
それは柏の葉の裏表です。
つるつるとした表面が表に出ている柏餅は、小豆餡の柏餅。ざらざらとした裏面が出ている柏餅は、味噌餡の柏餅です。
好き嫌いのある方は、ここを確認してくださいね。
昭和天皇と柏餅
この葉に関して、昭和天皇のお人柄を感じさせるエピソードがあります。
皇族の皆様のお食事を用意する宮内庁管理部大善課。
「天皇の料理番」とも言われている職務ですが、後続の方々に召し上がっていただく料理には、とても大きな決まりがあります。
それは「食べられるものだけをお皿に乗せる」ということです。
画像は『和柄 菖蒲と柏餅』端午の節句飾りより転載
こんなのは決して乗せてはならない決まりだそうです。